株式会社ハッピーが提供しているハッピーケアメンテを、既存のクリーニング業とは全く異なる「衣服再生産サービス」に位置付けているのは、独自開発をした技術と、徹底した品質の向上・安定を目指す体制に大きく起因します。
ハッピーケアメンテの最もベーシックな洗浄方法「水油系アクアドライ」も例外ではありません。
まず、現代日本において行われている一般的な洗浄方法は、「水洗い」と「ドライクリーニング」の２種類です。汚れはその９割以上が水性のものであり、水洗いはその水性の汚れに対して高い洗浄力を持っています。ですが繊維規模での損傷が多く、その結果としてシルエットが崩れる、風合いが変化するなどのトラブルの原因を作り出します。そしてドライクリーニングは、繊維に対するダメージは少なく、被洗物を傷めにくい洗浄方法ではありますが洗浄効果は油性の汚れに偏り、水性の汚れについては洗浄効果を著しく落とす欠点があります。そうすると、繊維の奥に残った汚れが酸化し、黄ばみやシミといったトラブルが発生します。
先述の通り汚れのほとんどは水性に分類されます。また、高温多湿な日本の気候を考えると、汗による汚れを無視することはできません。汗はその成分自体は水性として水洗いで落とせますが、そこに含まれる皮脂や脂肪などは油性のものなので水洗いでは落とせず、多くの衣類に黄ばみの原因となっています。
これが現代のクリーニング事情です。水洗いは多くの汚れに対して効果を持っているものの、繊維へのダメージが激しく、また皮脂などの油性汚れにはその効果を弱めてしまう。ドライクリーニングは繊維へのダメージは低く衣類の状態を保てるものの、９割以上といわれる水性汚れに対して低い効果しか発揮できない。さらに、ドライクリーニングは発がんや大気汚染など、重篤な環境問題を引き起こすとして欧米では社会問題になっています。
つまり、従来のクリーニングが持つ洗浄概念では、水性か油性のどちらか片方しか落とすことができず、水性を選択すれば衣類へ深刻なダメージを与え、油性を選択すれば環境問題に発展するというデメリットを孕んでいるのです。
そこで株式会社ハッピーがつくりあげたのが「水油系アクアドライ」です。水洗いとドライクリーニング両者のメリットだけを残し、デメリットを取り除いたというべき特徴を持っており、水性油性問わず高い洗浄力で汚れを落とすことができます。また、繊維の損傷はドライクリーニングより少なく抑えられ、かつ同時に行われる「レシリアン（サイジング術）」の効果も合わさり摩擦係数の低下や繊維トラブルの解消など着心地の良さを追求することができます。
「水油系アクアドライ」は衣類の生地繊維や形状、縫合の仕方などから、劣化度合い・損傷度合いに合わせて1,000にも届くほど多岐にわたる洗浄方法から使い分けて行います。その高度な洗浄処理を支えているのは、「洗浄仕分けシステム」と「無重力バランス洗浄機」です。洗浄仕分けシステムは、衣類一つ一つに対して同一または類似した過去のメンテナンス実績を自社データベースより検索し、1000種類ほどある洗浄方法から適切な処理方法を導き出せる独自システムです。この「洗浄仕分けシステム」によってこれまで経験則的に個人が所有していた判断力を社員の全員で共有。技術や得意不得意の差で品質にばらつきが生じるリスクを防ぎ、一定して高品質なサービスの提供を可能としています。
また、「無重力バランス洗浄機」は、独自に開発した新構造の洗濯機械で、ほとんどの衣類繊維を損傷させることなく、形状や風合いを維持・保持しながら洗いから脱水までを自動で行うことが可能です。内壁にSラインカーブを設けることで、洗濯槽の中心と内壁側に異なる2種類の水流を生み出し、またSラインの凹凸には渦流を発生させることで、衣類が洗濯槽内壁に押し付けられることなく中心部でまるで遊泳するように自然に広がる設計となっています。このSラインカーブを軸とした新構造によって、ドライクリーニングよりも少ないダメージと、水洗いと同等のパワーの両立を実現する「無重力バランス洗浄機」はハッピーケアメンテを根底から支える特許技術です。
この「無重力バランス洗浄機」は業務効率の面でも頼もしい実績を残しています。
導入前は1点につき20分かかっていた洗浄工程は、「無重力バランス洗浄機」導入によって10点10分以内と大幅に短縮。ダメージを徹底的に抑えた洗浄方法を実現していることから、その後の工程や最終的な仕上げにかかる作業的コストも削減するなど効率化に機能しています。
作業内容も複雑さはなく、「洗浄仕分けシステム」のサポートもあいまって、誰にでも簡単に速く洗浄をすることができます。
「水油系アクアドライ」はハッピーケアメンテの最も中心的な業務となり、多くの独自開発技術がその業務を支え高めています。衣服を再生産するための入り口ともなる「水油系アクアドライ」は、これまでになかったダメージ量の少なさと、水性・油性の汚れどちらにも作用する洗浄力の高さをもって、クリーニング業界が諦めていたお客様のご要望にお応えしています。
